ぴんく色のゴミ箱

pwnのことは一切書かないし大嫌いです / 書いてあることは全てフィクションで事実は一つもありません / このブログに筆者は存在しません

こるねの話をしよう

酒を飲んだので。


キーボードの話をしよう。

 

一人の人間が、その数十年の生涯で最も多く触れているものは何か。ある人にとってはボールペンかも知れないし、ある人にとってはバットかも知れないし、またある人にとっては本かも知れない。長く触れている物は、その人間を表す。いや、その人間だから長く触れているのだろうが、卵が先か鶏が先かは一旦置いておくことにする。自分の場合はどうだろうか。二十数年生きてきて、一番長く触ってきた物。これから何年生きてしまうのかはわからないが、一番長く触るであろう物。恐らくそれは、キーボードになるだろうと思う。

初めてキーボードに触ったのは、小学1年生の頃だったと思う。小学校には殆ど行っていなかったためか、英語の通信教材を使っていた。BE-GOとかいう名前だったような気がする。それは教材がCDに焼かれていて、PCで読み込んで遊ぶタイプのものだった。その時触れたのは、よく分からないフルサイズのキーボードだった。一日中使うものでもないし、文章を打つわけでもないから、別になんだって良かったし、特に記憶には残っていない。次に触ったキーボードも、メーカーの分からない適当なフルサイズキーボードだった。中学の間は家族共有のデスクトップを使っており、そこに繋がっていた。配列はJS。押し心地は良くもなく、悪くもなかった。だが、ある日を堺にキーボードカバーが掛けられるようになった。シリコンなのかラバーなのか、透明で分厚いカバーだった。これのおかげで、押し心地は悪くなった。だがそれでも、ちょっと打ちにくいくらいだし別に大して気にすることはしなかったと思う。

3つ目に触ったキーボードは、Thinkpad Eのラップトップのキーボードだった。中学の間に小遣いをためて、高校に上がると同時に買った初めてのノートパソコン。Eシリーズはエントリモデルで、確か当時はセールをやっており(当時は、というかLenovoは年柄年中セールをやっている)、5万円くらいで買ったノートだと思う。初めて触ったノートのキーは、デスクトップのそれとは大分勝手が違かった。キーはより小さく、狭い空間に閉じ込められている。入力までの押下するストロークが短く、あまり力を使わずに打てる気がした。この頃から、キーボードはラップトップの薄いキーボードが良いものだと思うようになっていた。

4つ目に触ったキーボードは、中古のdynabookだった。高校と大学の時空の狭間に閉じ込められている間に、ストレス解消でThinkpadを真っ二つにへし折ってしまったため、大学に進む前にドスパラで買った。メモリ8GB、HDD128GBの余りスペックの宜しくないPCの、そんなに宜しくないキーボードである。いくつかのキーは反応が悪くなり、押し心地もひっかかるような感触になっていた。だがそれでも大して気にはしなかった。薄くて簡単に押せるというのが当時の自分の最重要視する点であり、逆を言えばそれ以外の要素はキーボードに一切求めていなかった。

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5つ目は、大学入学後に買ったMacbook Proのキーボード。このキーボードは自分が初めて嫌悪感を覚えたキーボードである。自分がMacを何も知らず、知らないがゆえに生じる嫌悪感がバイアスとして働いていたことは確かだと思う。だがそれを抜きにしても、あの薄すぎるキーボードを許容することはできなかった。押したと言うよりも、指でクリックしたような押し心地。平面が指にフィットするはずもなく、いつもキーの上で指が迷子に成る始末。そしてこれはあまり関係ないかも知れないが、CtrlとCmdの2つが存在し、しかも役割がWin機とは逆になってしまっているのも、こいつに対して嫌悪感を抱く理由の一つになっている。

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6つ目は、Thinkpad T490のキーボードだ。自分は一度使ったものに固執する性分なのかも知れない。世の中には数多のラップトップがあり、数多のキーボードが存在する。だが、その中から何かを選ぶと成ると、大抵の場合は既に選んだことのあるものを選んでしまう。食べ物にしろ、交友にしろ、そしてキーボードの場合も。大学入学後は、dynabookmacbookを所有していたが、メインで使っていたのは、というよりも"使っていた"のは、dynabookの方だけである。Ubuntuを入れて使っていた。最初は16.04で、すぐに18.04になり、2年後くらいに20.04になった気がする。とにかく、macと仲良くなれなかった自分はUbuntuから離れる気が起きなかった。そんな時、"a"キーのキートップが取れてしまった。スイッチがむき出しの状態になる。しばらくはそのまま使っていたが、やはりむき出しのスイッチを押すというのはそんなに心地の良いものではなく、また、そもそもにdynabookのスペックに限界を感じていたため、新しいラップトップを買った。メモリ32GB・SSD512GB・8coreの可もなく不可もなくというスペックのPC。押し心地に関して言えばとりわけ何も言うことはなかった。もともとThinkpadのキーが好きで買ったわけだから十分満足していた。敢えて言うならば、Thinkpadタッチパッドはかなり嫌いな部類に入る。黒板をなぞっているような気持ちになってしまう。そのため、この頃からBluetooth接続のマウスを使うようになっていた。

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ここまで、キーボードは自分で選んだものではなかった。正確には自分で選んで購入したものではあるが、キーボードを理由に買ったものはなく、PCを買った結果としてキーボードが付いてきただけである。そんな中、身の回りにHHKBを使う人をちらほら見るようになった。初めて見たHHKBは、異様な見た目をしていた。見るからにキーの数が少なく、文字の刻印がなく、真っ黒で無機質だった。正直、当初のHHKBの印象は余り宜しくなかった。まず、当時の自分がキーボードに求めるものは、それなりに薄くてストロークが短い(といっても、Macはいきすぎである)という要素だけだった。よって、明らかに厚いHHKBには心惹かれる理由がなかった。また、周囲で使っている人はMacのキーボードの上にHHKBを載せて使っていたのだが、わざわざそこに存在するビルトインのキーボードを使わずにキーボードを追加で持ち歩いて利用するというのは、酷く非効率に映った。最後に、いくらHHKBが静音型とはいってもそれなりに音はする。勿論ラップトップのキーボードも音はするのだが、HHKBはそれとはまた違った特殊な音を響かせていた。この音も、当時の自分は余り好きになれなかった。
そんなわけでHHKBを知ってこそいたもののしばらく使うことはなかったのだが、ある日突然US配列が使いたくなった。何故US配列を使いたくなったのかに理由はない。何も食べなければ腹が減るように、外が晴れていれば散歩に行きたく成るように、暫く本を読んでいなければ世界の終りとハードボイルドワンダーランドが読みたく成るように、ただ只管に生理現象としてUS配列が使いたくなった。そんな時、真っ先に候補として浮かんできたのがHHKBだった。US配列がある。Bluetoothで接続できる。正直HHKBを選んだのはこの2点の理由だけだった気がする。何度も言うようだが、当時の自分に拘りはなかった。よって、この2点だけが外付けキーボードに求める要素だった。そして何より自分は知っているものに終止してしまう。唯一名前の知っていた外付けキーボードであるHHKBを買うと決めるのに、3分とかからなかった。

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HHKBは、自分のキーボードに対する視点を変えた気がする。見た目を少し気にするようになった。Type-S無刻印の真っ暗なキーボードは、新築の家の檜の柱のような心地よさを与える。もともとキー入力の為にキーを見ることなどしないのだから、だったら最初から印字しないというのは必然の結果とも言える。削れるものは削ったほうが良い。最近あらゆるものに対してそう思うようになってきた。また、押し心地も少しだけ特殊な感じがする。正直何が違うかは分からない。勿論原理で言えば無接点静電容量方式で非接触式だからと薀蓄を垂れることも可能かも知れないが、だからどう違うんだと言われれば困ってしまう。スコスコした押し心地としか言えない。だが、これまで打ったことのない感触は、何かをアピールしてくるわけでもなく自然と自身の感覚に調和するような感じだった。多少特殊な配列を使うという行為を経験したのもHHKBが最初だった。HHKBは一般には60%キーボードと言われ、テンキー・矢印等のキーとファンクションキーを取り除いた形になっている。存在しないキーは特殊キーと同時押しして入力するのだが、慣れてしまえば指を動かす範囲が狭くなって疲れにくい気がする。

 

暫くはHHKBを使っていた。そして、この先もおそらく自分はずっとHHKBを使うことに成るだろうと予期していた。頑丈で、持ち運びできて、機能的で、心地よいキーボードは、使い続けない理由というものが思い浮かばなかった。PFUのHPにある誰かのインタビューにも書いてあるとおり、PC自体を買い替えたとしてもキーボードだけはずっと同じものを使い続けるんだろうと思っていた。
だが、自分の性分というのを忘れていた。一つには、使ったことのあるものを、知っているものを使い続けるという性分。そしてもう一つ。この上なく飽きやすいという性分。相反するような2つの性質であるが、どうしてだか、この2つは自分の中に確かに共生している。そして1年ほどHHKBを使った後、後者の性分が呼びかけてくる。そろそろ新しいキーボードが欲しくないか?

 

 


およそ1日に10時間ほどPCの前に座っている。というか、家の中で座る場所はベッドの上かPCの前かしか存在しない。これは習慣ではなく、純粋に物理的な話である。何もせずにPCの前に座るのが好きなため、その間ずっとキーボードに触っているわけではないが、それでも大半の時間はキーボードに触れていることに成る。大抵のキーボードは、ホームポジションにセットすると肩をすぼめる姿勢に成る。この姿勢を何時間も維持しなくてはならない。よく考えるとこれはかなり体に悪い事のように思える。次に買うキーボードは分割型と呼ばれるものを買おうと思っていた。腕を自然な肩幅に開いて使えるようなキーボードである。いくつか候補はあったものの、結局はfoostanさんという方が作った、corne cherryというキーボードを買った。split typeの、40%キーボードと言われるものである。HHKBは60%で矢印・ファンクションキー・テンキー等を削ったものだが、40%の場合にはさらに数字キーも削ることに成る。単純に考えれば不便なものだが、どうせ新しいキーボードにするならば、使ったことがないものにしようと思った。そして何より、こるねという名前が可愛いのが決め手となった。

この手のキーボードは、既成品として市場に出回っているわけではなく自作キーボードと呼ばれキットから自分で組み立てるようになっている。もしかしたら自作キーボードはイチから設計することを指すのかも知れないが、取り敢えずはこのタイプを自作と呼ぶことにする。

キットは各部品ごとに小分けされて届く。

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キースイッチとキートップは別売りだったが、キートップは予備のHHKBのものを使うことにした。

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自作とはいっても、はんだづけが出来ればつくれるような簡単な設計になっている。本来は大学院試が終わった後のご褒美として組み立てようと思い、試験の1ヶ月前に購入したのだが、結局待ちきれずにすぐに組み立て始めてしまった。一応工学部生であるらしいため、家にはんだごて等の道具は揃っており、かかった費用はこるねのキットとキースイッチの分だけだった。

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はんだづけは得意ではないが、それでも動作する程度に作ることはできる。

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キースイッチをつけて、キートップをはめればそれだけで完成に成る。

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自作キーボード界隈では(といっても、最近フォローした数人の人しか知らないのだが)、性能の良いカメラを買っておしゃれなキーボードの写真を取ることが嗜みらしいが、如何せんカメラには興味がないため上のような煩雑な写真になってしまう。

サイズ的には、縦がメンソレータムと同じくらいと言うと、大抵の人に伝わると思う。

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なんやかんやで、使い始めて1ヶ月以上経っている。この期間は余りパソコンを触らなかったため普通の1ヶ月に比べれば練習量は少ないが、それでも徐々にこるねの配列に慣れてきた。慣れてしまえば、キー数が少ないのも寧ろかなりの長所になる。両の親指がスペースキーに居候する普通のキーボードとは異なり、こるねでは親指でスペース・タブ・シフト・レイヤ・レイヤの6キーを担当することになる。もともと親指は働ける能力を持っているのだから、こるねは指界の富の再分配を行っているとも言える。その分、返って小指は無職になる。小指の担当するキーは各6キーずつだが、その半分を特殊キーに配分しているため、実質3キーずつの担当で良くなる。親指を除けば3行しか存在しないため、ホームポジションから離れることがなくなる。たまにHHKBを使ってみると、数字キーを押すのにこんなにも長い出張をしていたのかと驚嘆することになる。

また、キーのレイアウトは自分で好きに変えることができる。OS上のソフトウェア的に変えるのではなく、こるね側のProMicroでの設定を任意に書き換えることが出来るため、最初は色々と工夫して自分に合った配列を探すことになる。

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本題のこるねの話自体が些か淡白になってしまったが、これは書いてる途中でこるねに辿り着くまでに飽きてしまったのが原因である。かなりこるねの事は気に入っているため、暇があればまた詳しく使い心地についても書こうと思う。

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ワクチンを打った話をしよう。

注射が酷く嫌いである。嫌いすぎて、中学1年の時以来一切注射を打ってこなかった。大きい病気になったこともないし、別にかかってもしょうがないと思ってきた。だが、今回のワクチンに関しては、今後受けないことによる社会的な制限が生じる可能性があるような気がしたため、仕方なく打つことにした。別にコロナワクチンだから嫌だというわけではなく、注射が嫌いだっただけの話だ。

接種会場につくと、すんなりと受付が終わり、僅か3分ほどでお医者さんの前に座ることになった。物心ついてから、中1で最後に注射を打つときまで、注射の前には必ず「痛くない感じでお願いします」と言うようにしている。これを言ったからといって何か変わるとも思えないが、もしかしたら丁寧にやってくれるかも知れないという淡い期待を抱いて毎回言うことにしている。お医者さんは、少し笑いながら「少しちくっとはするかも知れないです」と言ってきた。そして、言い終わる前には既に注射が終わっていた。きっと、マジシャンかなんかだったんだと思う。本職、マジシャン。副業、医者の人にあったのは今日が初めてだった。副作用自体はまだそんなに出ていない。水も買ったし、洗濯もしたし、カップ麺も冷麺も買ってきた。倒れる準備万端だが、そこまでにはなっていない。多少接種した腕が重いのと、若干の微熱が出ていることを除けば基本的にはいつもと変わらない。

 

 

 

 

院試の話をしよう。

院試期間中は駄菓子を摂取して生きていた。孔子曰く、蒲焼さんがこの世で一番美味い食べ物だと。

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院試自体は受かったようだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

書き始めたのが19:30。今の時刻が19:58。書き始めに飲み始めた500mlのレモンチューハイを丁度飲み終わった。まだ副作用は厳しくないが、熱が出る頃には夢の中に痛いので、寝る。

 

 

あれ、アルコール飲んじゃだめじゃね。

 

 

 

 

 

 

 

続かない